FDR ing

flying disc radioのWebマガジン

アクリル絵の具を溶きながら

約 2 分

強制的振り返り

最近のSNSは、過去のその日に撮った写真や動画がいきなりドーンと表示されるので、ついつい見てしまう。

娘は今2歳なので、過去2年間の写真たちはとても華やいでいる。
娘が小さくてかわいいなぁ、よくここで遊んだなぁ、初めての電車かぁ、などなど、、。
子育てが大変で泣いたこともあったが、写真は基本的に楽しいときに撮るので、辛い過去はまるで無かったかのようにみえる。
もちろん楽しい事のほうが多いのだけど。

そして娘が生まれる前の写真は、仕事も遊びも自分のやりたい事を最優先させまくっているのがわかる。あまりにもワガママに生きていたし、とっても楽しかった。
その時の写真を見ていつも思う。
あんなに必死に生きていたのに、もう自分の過去は「ぜーんぜん興味なーい!」のだ。
娘の成長過程があまりに眩しいせいなのだけど、こんなにも自分の過去に興味が無い事にびっくりしている。

しかし唯一興味がある自分の写真があった。
私が描いた絵だ。
酔っ払って描いたものや、イベント用に描いた絵や、ライブペイントをした時、などなどリアルに思い出せる。
これを書いている今日は、3年前にサラっと描いた漫画が出てきて、なんだかその漫画が今の私にやけにしっくりきた。

自分の絵は、どんな絵でも認めてあげることに価値があるのかなと思った。
子育て最優先の日々だけど、少しづつまた自分を愛してあげないとな。
SNSに強制的に振り返させられて、こんな事を思ったのであった。

About The Author

Junko Kawashima
伊豆大島出身。
美術短大在学中よりイラストレーターとして活動。
CDジャケット、雑誌、文庫本表紙、壁画、アパレル系など
様々なイラストを手がける。
初の個展はアメリカのノースカロライナ州。
その後香港やマレーシアなど様々な場所で作品の発表を続け、
現在は子育てをしながら絵本を制作中。

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