FDR ing

flying disc radioのWebマガジン

アクリル絵の具を溶きながら

約 3 分

産後初の展示

先日、帽子作家の先輩にお誘い頂き、帽子と絵の合同展示会を行った。

それまでは絵本の新作に取りかかっていたが、たまたまスランプに陥っており、そのとき丁度展示のお誘いがかかったのだ。

大好きな先輩の大好きな帽子と一緒に展示が出来るなんて、断る余地無し。
やりますやります、と大喜びで返事をし、それからは集中して展示用の絵画のみの制作を実行!
自由に楽しく描き進めた。

考えてみたら産後初の展示。
それもあってか搬入前日は明け方近くまで眠れなかった。そんな自分に驚いた。

きっと展示はあっという間に始まってあっという間に終わるんだろう、終わった時、私はどんな気持ちでいるんだろう。
ずっとそういう事ばかり考えていた。

今回の展示では、私がこれまでに描いた2冊の絵本の読み聞かせも企画していた。
最後まで悩んだが、2歳の娘にも見てもらう事にした。
(以前イベントで行った読み聞かせの時は、私から離れられず泣いて大変だったので、多少のトラウマがあったのだ、、)

いざ読み聞かせが始まると、案の定私にかまってもらえない娘はグズってしまい、見かねた友達が娘を抱っこしてくれた。

娘はその友達が大好きなので、膝に乗せてもらった後はおとなしくしていたのだが、それでも涙は止まらなかったようで、溢れる涙を小さな手で何度もぬぐっていた。

一生懸命声を出さずに泣いていて、
見に来ていたママ達はその姿に感動した、
と話してくれた。

私は娘が必死に我慢しているのがすぐにわかったのだが、それを直視したら私も泣いてしまう!とグッとこらえた。

これは搬入前日の眠れなかった夜に思いつきもしない、感動的な出来事であった。

私たちはまた一歩前進したように思える。

そして展示では、20代に初めて個展をした際に出会ったアメリカ人の友人や、10年前に作品を購入して頂いたお客様との再会を果たしたり、いつも応援してくれる友人知人に合う事が出来て、すっかり感動しっぱなしであった。

さらには、多くの大切な人たちに作品を購入していただき、私の絵は、色んな所へ旅立つ事が決定した。

絵が自分から離れるのは淋しい気持ちが先立つかと思いきや、とても嬉しい気持ちになったのは、購入して頂いた人たちときちんとお話ができたからなのかもしれない。

私の絵よ、みんなを幸せにするんだよ。
いってらっしゃい!

そして人生にきらめく思い出がまたひとつ増えた事、たくさんの皆様に心から感謝します。

About The Author

Junko Kawashima
伊豆大島出身。
美術短大在学中よりイラストレーターとして活動。
CDジャケット、雑誌、文庫本表紙、壁画、アパレル系など
様々なイラストを手がける。
初の個展はアメリカのノースカロライナ州。
その後香港やマレーシアなど様々な場所で作品の発表を続け、
現在は子育てをしながら絵本を制作中。

Leave A Reply

*
*
* (公開されません)