ー「HOTORI」を始めて3年。手ごたえは感じていますか?
「年々、HOTORIでのライブやイベントの需要は増えてきてるし、ミュージシャンが気に入ってくれて、毎年来てくれるようになったり。
お店以外の場所でのイベントをプロデュースする仕事もやれるようになってきました。
富山でも5~10月にかけては、月に1回は野外フェスやイベントがあるんですよ。マルシェも含めたらかなりの数。
ただし、富山は自然が豊かだけど、日照率の悪さは常にワースト1~3位を行ったり来たり。しかも冬は雪。
だから、晴れへの執着がすごい(笑)」
ー富山人ってお祭り好きですね!
「そうですね(笑)でも、東京からゲストを呼んで、単発の大きなイベントばかりをやってもダメです。
イベントによる疲弊になるだけで、あとに何も残らない。
もっと記憶として残さないと文化として根付かないですね。
それと、人から人に伝わる言葉や情報が一番強い。人間って最高のメモリーだと思います。
そして“食事をするようなぐらい自然に音楽を聴く”という感覚を持ってほしいですよね。
HOTORIはそのための実験場だと思います。」
ー僕は、根付かせる、次に繋げるという意味では、学生に別世界との関わりを持つ機会がもっとあればと思っています。
「FLYING DISC RADIO」を、その役割を担うものにしたいです。
「すごくいいですね。僕も若い頃からクラブに通って色んなこと経験したからわかります。経験は若いうちにドンドンした方がいい。
今の若者は社会に守られている分、関わる世界が狭い。
さらに、ネットやスマホで簡単に情報や動画にアクセスできるから“体感した風”の子も多くて、それって不健全だと思います。
もっとしっかり“生”をくらってほしいですね。」
ー今後の展望はありますか?
「お店がある、中央通り商店街の再開発が進んでいて、中央通りの半分は居住区になることが決定しています。
まだ時期は確定していませんが、いずれ移転することになります。
現在、移転先を検討していますが、アクセスのよさ、文化発信に適した立地、街の流れにきちんと乗っていけるのかなどを見極めないといけません。
さらに、店としての実力をつけることも重要。
今のHOTORI×ほとり座には、『フォルツァ総曲輪』に来ていた年間動員数に対して、まだ三分の一ほどです。
今まで以上に音楽ファンや映画ファンが来てくれるようにすること、情報の発信基地として機能させること、それが最重要課題ですね。」
ーHOTORI×ほとり座が拡大することは、富山の文化が拡大することにも繋がると思います。期待しています。
「ありがとうございます。それにしても、どうして富山なんですか?
北陸新幹線が開通しても金沢目的の方が多く、富山は素通りされちゃう陸の孤島なのに。
物好きですよね、スズキさん(笑)。何か一緒に企画できたら楽しそうです♪」
(つづく)
■HOTORI×ほとり座
富山市中央通り1-2-14 三笠ビル2F
■Café54
富山市中央通り1
■告知
トークが盛り上がっているうちに、すっかり日暮れ…。
飲兵衛たちの待ちに待った城下町の夜はいかに