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flying disc radioのWebマガジン

散歩グラフィー ~第六回 富山DJ旅行編~

約 6 分

第六回 富山
写真と文:秋房和伸

たいぶ時間がたってしまったけど、去年の11月にFlying Disc Radioのイベントで、富山県の「ほとり座」という映画館&カフェでDJをしてきました。

イベント当日、富山にはお昼過ぎに到着して、リハまで時間があったのでさっそくレコード屋を探索。

会場からまあまあ歩いたところにあった「ディスクビート」。
外から見るとCDがメインでレコードはそんなにないのかな?と思ったら、思ったより奥が広く、なかなか掘り甲斐がありました。
ワールドミュージックのコーナーに80年代のメキシコのアヴァンギャルドっぽいレコードがあったので購入。
そして店を出ようとした時、入口の棚に書いてあるサインに目がいきました。

エンケン!
というのも、エンケンの訃報を聞いて間もなかったので、まさか富山で最初に行ったレコード屋さんに来ていたとはビックリ。
お店の人に話を聞くと、写真もあると見せてくれました。
そういえば同じ頃行った細野さんのライブでも、エンケンが飼っていた寝図美という猫を預かっててほしい、と言われたまま結局飼うことになってしまったという話をしていたけど、その寝図美の感じがすごく出ているのがこの曲「寝図美よこれが太平洋だ 」と言って歌っていました。

遠藤賢司 寝図美よこれが太平洋だ~カレーライス

「ディスクビート」
富山県富山市五番町9-5

そんなわけでレコードを買って喫茶店で一服してから会場の「ほとり座」に到着。

オープンから、地元のシンガーソングライターゆーきゃんさんのライブのスタートまでと、ゆーきゃんさんのライブを挟んで、僕らと同じく東京から出向いた松倉如子さんのライブまでの間、DJを2回やらせてもらいました。

松倉さんのライブは、機材トラブルでキーボードの音がなかなか思うようにでなかったのですが、急遽アカペラで歌い始めるという松倉さんのバイタリティーには驚きと感動でした。

1回目のDJの時は、普段のNew WaveイベントでかけてるようなNew Wave中心に、2回目の時は、台湾のおみやげのレコードをはじめ、エキゾ物やワールドミュージックを中心にかけました。
この2回目が意外と好評で、終わった後に地元のお客さんと「Yamasuki」やエチオピアの音楽について話したり、とても楽しかったです。
富「山」ということで「Yama」sukiは行く前から絶対かけようと思っていたレコードだったし。

Yamasuki

イベント終了後に「ほとり座」の方と話していたら、僕が好きそうなレコード屋さんがすぐ近くにあるという事を教えてもらい、南米の音楽とか好きなら絶対行った方が良いと言われて、これは行かねば!と思いながら帰途につきました。
「ほとり座」はとても良いお店だったので、また富山に来た時はゆっくり映画も観てみたいなあと思いました。

「ほとり座」
富山市中央通り1-2-14 三笠ビル2F
http://hotori.jp

そして翌日、昨日教えてもらったお店を調べたら、なんと午後2時からオープン。
しかし帰りの新幹線の時間を考慮すると、2時に行っても30分くらいしかいれないという。
まあ元々この日は富山を色々散歩しようと思っていたので、とりあえず街に出ることに。
ふらふらと歩いていると、なかなかイカしたお店などが目に入ってきます。

そして「珈琲駅ブルー・トレイン」に到着しました!

店名のフォントもかっこ良く、扉を開けると、豪華列車のような店内でワクワクします。

しかしこのお店がすごいのは、内装だけではないのです。
なんと店内をぐるっと一周、鉄道模型の線路が敷かれていて、時刻表に従って色んな列車が走り回るという、なんとも珍しい喫茶店なのでした。

サンドイッチも珈琲も美味しいし、とても居心地が良くてすっかり気に入ったので、お土産にブルートレインの文字が入った「高級ボールペン」を買いました。たしか500円くらいだった。

「珈琲駅 ブルートレイン」
富山県富山市鹿島町1-9-8

ブルートレインでゆっくりした後、外に出ると雨が降っていました。
こりゃあ参ったなあと思いつつ、また中心街の方へと戻ります。
みんなでお昼を食べる約束をした時間までまだ少しあったので、ふらふら散歩していると古本屋を見つけました。

あれ、お店の名前は?と思うけど、黒板に小さく「古本ブックエンド」と書いてあります。
ここがとても良い古本屋さんで、アート系の本や雑誌、小説、詩集など、かなり良い品揃えで尚かつお手頃価格。
色々欲しいなーと思いつつ、DJ用のレコードなどで荷物がかなり重かったので、「電子音楽 In The(Lost)World」と「VOGUE 1916-1975 ヴォーグ60年展」という図録を買いました。

「古本ブックエンド」
富山県富山市総曲輪2丁目7−12
http://bookends.jp

そんなわけでお昼の時間も近づきちょうど雨も止んだので、富山駅でみんなと合流してお昼を食べました。
しかし僕だけ早々に済ませ、みんなに「間に合うのか?」と言われながら、路面電車に乗って再び「ほとり座」の近くへ。
そしてとうとう到着しました、噂の南米系の中古レコード屋「BOM DISCOS」。

ドア越しに中を見ると、お店の人がご飯を食べてるっぽいんだけど、2時ぴったりに来すぎたかなと思いつつ、ドアを開けて「開いてますか?」と聞くと、どうぞどうぞと中に入れてくれた。
しかし一歩入った瞬間に、この店はヤバい!と衝撃が走った。想像以上の店でした。
日本ではないノリというか、レコードがダンボールに入ったまま無造作に床に置かれていたり、棚の上にもレコードが重ねて積まれてたり、しかもそれが見た事もないレコードだらけな感じがプンプンするっていうか。
得体の知れない濃厚なものが凝縮している感じ。。。
絶対30分では見切れない、と思いながらも時間の許す限り掘り続けました。
そしてリンゴの絵のジャケットも愛らしいRUBEN RADAの1stアルバム「Las Manzanas」を1枚だけ買いました。
走って路面電車に乗ると、なんとか新幹線の時間に間に合った。

BOM DISCOS
富山県富山市蛯町4-7
http://www.bomdiscos.com

富山は喫茶店やレコード屋さんなど良いお店がたくさんあって、思ってた以上に良いところでした。
ぜひまた訪れてみたい場所です。
そして前回書いた京都に続いて地方でのイベント出演が続いたけど、こういうのはとても楽しいので、今年もどこかに行けると良いな。

今回の旅行で買ったもの。

今回の地図
https://drive.google.com/open?id=1hqDIWIppXgXgzoQBMC1liQaDdQL6KULZ&usp=sharing

About The Author

Kazunobu Akifusa
グラフィックデザインを中心に、映像、音楽、DJ、工作のワークショップ、フレデリック・パカ研究家などアレコレ。
音楽は秋福音とマルシア・ガルケスという二つのグループで、DJはAsufikAという名前で、Tokyo Obscure WavesというNew Waveイベントで主にやってます。
散歩と旅行と自転車、ふらふらすることを好む。

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